慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
国語科教育法特論Ⅲ
担当教員名
鈴木 彩
科目設置 教職科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 教職 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2021 授業コード 82103
開講期間 I期 8/10~8/15 曜日・時間等 3~4限 14:15~18:00

実施形態

オンライン授業(オンデマンド形式)

オンライン授業(リアルタイム形式)

上記の授業を実施するにあたり学生が準備しておくもの

マイク・Webカメラ(通常、パソコンに内蔵されているもので問題ありません)

授業科目の内容

 本科目は、国語科教員として勤務した私自身の実務経験をふまえつつ、模擬授業の実施とフィードバック、授業実践や教材研究に関する講義などを通じて、実践的な視点から国語科教育について考えるものです。
 2020年度は新型コロナウィルスの流行により、オンライン学習という新たな方法が教育現場に広がる一方、感染対策に留意した上での対面型授業も引き続き実施されました。また来年度(中学)・再来年度(高校)に本格的に実施される新学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」を実現する「アクティブ・ラーニングの視点に立った授業改善」が推進されていますが、同時に「基礎的・基本的な知識及び技能」の確実な習得も重視されています。
 こうした状況をふまえて教育現場では、従来の講義型学習と、協働学習を主体としたアクティブ・ラーニングをどう組み合わせるか、またオンラインという新たな方法とどう向き合うかなど、さまざまな試行錯誤が行われています。受講生の皆さんにはこの授業を通じて、そうした試行錯誤の一端にふれていただければと思います。
 授業は「オンデマンド配信型」(パワーポイント資料をご覧いただき、関連した短い課題を提出していただくもの)と「リアルタイム配信型」(zoomを用いた模擬授業)を組み合わせて行います。
 「オンデマンド配信型」では、実際の授業実践の良い点や改善点を考察すること、教材を分析して効果的な発問・導入を考えること、共通の教材について試験問題を作成することなどを行い、時には受講生間の意見も共有しながら、国語教育への理解を深めます。
 「リアルタイム配信型」ではZoomを使用し、模擬授業の実践をしていただきます。昨年度は基本的に〝対面型の授業をzoom上で可能な限り再現する〟形で実施しました。多少の不便はありますが、板書は画面共有したWordやホワイトボードで代替するなどし、昨年度の受講生の方はおおむねスムーズに実践できました。今年度もそうした形で行う予定ですが、もしはじめから〝オンライン授業として行うもの〟の模擬授業を行いたいという方は、それを想定してご準備いただいても構いません。
 下記の「受講上の要望または受講上の前提条件」によく目を通し、任意の教材を選んで、事前に指導案を考えましょう。3日目以降に模擬授業を実施し、教員から、また受講生同士で、その場でフィードバックを行います。
 現在のスケジュールは下記の通りですが、受講者の人数や関心に応じて、順番や回数が変化する可能性があります。詳細は初回の授業でお話しします。

第1回講義内容
ガイダンス―授業内容の説明など―(リアルタイム)

第2回講義内容
学習指導要領概説―国語教育のこれまで・これから―(オンデマンド)

第3回講義内容
授業研究Ⅰ―教育実践論文の検討―(オンデマンド)

第4回講義内容
教材研究Ⅰ―定番教材への視点さまざま―(オンデマンド)

第5回講義内容
模擬授業と相互評価・教員からのフィードバックⅠ(リアルタイム)

第6回講義内容
模擬授業と相互評価・教員からのフィードバックⅡ(リアルタイム)

第7回講義内容
模擬授業と相互評価・教員からのフィードバックⅢ(リアルタイム)

第8回講義内容
模擬授業と相互評価・教員からのフィードバックⅣ(リアルタイム)

第9回講義内容
授業研究Ⅱ―教育実践論文の検討―(オンデマンド)

第10回講義内容
試験問題研究・作成―実際に作問してみましょう―(オンデマンド)

第11回講義内容
教材研究Ⅱ―非・定番教材への視点さまざま―(オンデマンド)

第12回講義内容
総括 および 自身の模擬授業を振り返るレポート(オンデマンド、ただし受講者の状況および希望によっては総括をリアルタイムで行う場合もある)

その他の学習内容
  ・コメントペーパーまたは短い課題の提出

成績評価方法

①模擬授業(学習指導案を含む)、②平常点(参加態度、各回のコメントペーパーの提出など)、③レポート(自身の模擬授業の振り返りなど)を総合して評価します。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

参考文献

プリントを適宜配布する

受講上の要望、または受講上の前提条件

 初回の授業までに、中学校または高校の授業で扱うことを想定した任意の教材(目安として授業が4~5時間で完結するもの)を選び、学習指導案を考えていただきます。内容は主に「1:その教材でどのような力を育てるか」「2:授業は何回実施し、各回でおおまかに何を行うか」「3:そのうち1回ぶんの具体的な内容」です。模擬授業では「3」の部分を実践していただきます。
 指導案のフォーマットは事前にオンライン授業システム「kcc-track」で配布しますので、それに沿って作成しましょう。
 初回の授業では作成した指導案と、扱う教材のコピーを提出してください。ただし指導案は3日目以降の模擬授業実施日までに修正しても構いませんので、作成上の不明点などがあれば、初回の授業でご質問・ご相談ください。
 教材のコピーは、教科書をスキャンしたものが望ましいですが、全集や文庫本をスキャンしたもの、青空文庫(著作権の消滅した文学作品の無料閲覧サイト)をコピー&ペーストしたものなど、教員や他の受講者が閲覧できるものであれば、形式は問いません。
 なお、新学習指導要領は文部科学省のウェブサイトで公開されています。目を通しておくと授業がさらに理解しやすくなることと思います。
 加えて、スクーリングの各授業の要点はプリントを元に整理・復習しておきましょう(目安として各40分程度)。

講師の実務経験※実務家としての経験があり、その知見が授業に反映されている場合に、「あり」と表示されます

あり