慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
物理学実験B
担当教員名
下村 裕/青木 健一郎/三井 隆久/新田 宗土/松浦 壮
科目設置 総合教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 実験スクーリング/自然科学分野 単位 1
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2021 授業コード 32104
開講期間 II期 8/17~8/22 曜日・時間等 午後クラス、14:15~17:15

実施形態

対面授業を行う

授業科目の内容

実験内容と目的
 物理学においては実験によって、自然の構造に関する我々の理解が正しいものであるか否かを検証すること、および物理量を可能な限り精度良く測定することが重要です。この科目「物理学実験」の目的は、物理学を履修する諸君が直接実験を経験することによって、実験の重要性とその楽しさを自ら発見する機会を提供することです。
 本実験では、比較的簡単な実験装置で自然の構造の本質に触れることができるテーマを用意してありますので、これまで実験に馴染みの少なかった人でも十分に実験を行うことができるものと思われます。また実験のテキストを参照しながら2人1組になって実験を行うことになっています。わからない点は互いに議論しながら作業をすることが可能であり、そのことによってより理解が深まるはずです。期間中に行った実験の中から、各人が興味を惹かれるテーマを拾い出し、それをより深く理解することを目指して、改めて物理学の教科書を手にされることを期待します。
 

第1回講義内容
〔B−1〕実験ガイダンス、分子の大きさとアボガドロ定数 水面上に脂肪酸の単分子膜を展開し、それより脂肪酸の大きさを測定し、アボガドロ定数を求める。

第2回講義内容
〔B−2〕光と電子 光電効果の実験より光の粒子性を実感し、プランク定数を推定する。

第3回講義内容
〔B−3〕光の干渉 光の波動性とそれのもたらす干渉と回折現象を実験を通じて理解し、それを用いて光の波長、回折格子の間隔等を測定する。

第4回講義内容
〔B−4〕量子力学と原子のスペクトル ナトリウム原子の輝線スペクトルを観察し、量子力学的な原子の構造を理解する。さらに、ナトリウム原子の輝線スペクトルの波長を測定し、その理解を確かめる。

第5回講義内容
〔B−5〕素電荷の測定─ミリカンの実験 ミリカンの油滴の実験により、油滴の電荷を測定する。それにより電荷が離散的であることを実感し、その最小単位である素電荷を求める。

第6回講義内容
〔B−6〕音程とドップラー効果 音程と振動数の関係を理解し、音色の物理的意味を理解する。さらに音源を自由落下させ、観測されるその振動数変化からドップラー効果の持つ意味を理解し、音源の速度および加速度を決定する。

その他の学習内容
  ・課題・レポート

成績評価方法

出席とレポートによる。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する
初日にテキスト(無料)を配布。

受講上の要望、または受講上の前提条件

初日に物理学実験全般に関する基本的な事項を説明しますので、全員必ず出席してください。また、受講前にテキスト「物理学」に目を通しておくことを勧めます。