慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
刑法
担当教員名
薮中 悠
科目設置 経済学部専門教育科目 授業形態 春期週末スクーリング
科目種別・類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 法学部専門教育科目:刑法
設置年度 2021 授業コード 72108
開講期間 2021年6月12日〜6月27日 曜日・時間等 第1週6/12・13、第2週6/19・20、第3週6/26・27、土曜日13:30〜17:15、日曜日9:00〜12:45

実施形態

オンライン授業(リアルタイム形式)

上記の授業を実施するにあたり学生が準備しておくもの

マイク(講義中に発言を求めます)

授業科目の内容

 今年度のスクーリングでは、「刑法総論」の内容を講義します。
 刑法(明治40年法律第45号)には、殺人罪や窃盗罪、放火罪などのいろいろな犯罪が規定されています。「刑法総論」は、それらの犯罪に共通する一般的な成立要件(因果関係や故意、正当防衛、共犯といった、多くの犯罪に共通して問題となりうる内容)を明らかにすることを目的とした学問分野です(これに対して、「刑法各論」は、個々の犯罪の成立要件を1つ1つ明らかにすることを目的とします)。
 本講義では、刑法総論の基本的内容や主要な争点を取り上げて検討するとともに、刑法総論の学修上、理解が必須となる重要基本判例について理解することを目指します。また、適宜、刑法の学習(レポートの作成を含む)を進める際に必要な情報の収集方法や利用方法についても言及する予定です。
 なお、補講日に補講を実施する可能性がありますので、この点も考慮した上で、履修を検討・決定してください。
※実施形態について
 本講義は、Webexを使用して実施する予定です(オンライン・リアルタイム形式)。
 Webexの使用が初めての方や不安のある方のために、開講前に接続テストの機会を設ける予定です。接続テストの詳細および講義に参加するために必要な情報等は、後日、履修が確定した方に対してお知らせします。

第1回講義内容
 イントロダクション  故意作為単独犯の成立要件‐殺人罪を中心に

第2回講義内容
 因果関係①‐事実的因果関係  因果関係②‐法的因果関係

第3回講義内容
 故意と錯誤①‐故意の意義と種類  故意と錯誤②‐具体的事実の錯誤

第4回講義内容
 故意と錯誤③‐抽象的事実の錯誤  小括①

第5回講義内容
 未遂犯①‐総説、実行の着手  未遂犯②‐不能犯、中止犯

第6回講義内容
 正犯と共犯①‐総説、間接正犯  正犯と共犯②‐共犯の処罰根拠

第7回講義内容
 正犯と共犯③‐共同正犯の成立要件  違法性総説

第8回講義内容
 被害者の同意と緊急避難  小括②

第9回講義内容
 正当防衛①‐正当防衛の前提状況  正当防衛②‐防衛の意思と防衛行為の相当性

第10回講義内容
 責任①‐主に責任能力  責任②‐その他の責任要素

第11回講義内容
 刑罰論  刑法の基本原則

第12回講義内容
 総括・講評

その他の学習内容
  ・ 講義内で適宜、今回扱うテーマについて(より深く)学習するために有益なウェブサイト、動画、書籍・映画、参考文献などを指示する。

成績評価方法

 期間中に行う小テストと期末に行う試験(いずれも「準試験型レポート」〔出題から短時間で解答提出を求めるレポート〕の形式で実施予定)の結果により評価します。
 ただし、「平常点」(講義への参加態度、発言の有無・内容など)も考慮する予定です。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

『入門刑法学・総論〔第2版〕』/井田良 有斐閣 2018
『刑法総論判例50!』/十河太郎=豊田兼彦=松尾誠紀=森永真綱 有斐閣 2016

参考文献

『講義刑法学・総論〔第2版〕』/井田良 有斐閣 2018
『刑法Ⅰ総論(NBSシリーズ)』/亀井源太郎ほか 日本評論社 2020
『刑法判例百選Ⅰ総論〔第8版〕』/佐伯仁志=橋爪隆(編) 有斐閣 2020
『刑法総論判例インデックス〔第2版〕』/井田良=城下裕二(編) 商事法務 2019
『よくわかる刑法〔第3版〕』/井田良=佐藤拓磨(編著) ミネルヴァ書房 2018

受講上の要望、または受講上の前提条件

1 講義には「レジュメ」と、「テキスト」として指定した「教科書」・「判例教材」のほか、「六法」を参照できる状態で臨んでください。
2 開講前に予習として、少なくとも、次の箇所を一読しておいてください。講義は予習を前提に進行します。
・井田良『入門刑法学・総論〔第2版〕』の第7講から第11講
・十河太朗ほか『刑法総論判例50!』の03事件、04事件、05事件、08事件、12事件、14事件、16事件、17事件、24事件、34事件、35事件、36事件、39事件、40事件、41事件、42事件の「事案をみてみよう」