慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
考古学
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 第2類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2022 授業コード T0EA003602

講義要綱

考古学は、人類活動により残された様々な物的証拠の分析を通じて、過去の人々の生活のあり方やその変化について考える学問です。この科目の使用テキストは、考古学の全体的な枠組みを、具体的な事例を紹介しながら、平易に解説したものです。このテキストを熟読することにより、基本的な考古学の研究法・調査方法、考古学という学問の成り立ちや、関連諸学問との関係、現代社会との関わりまでを体系的に理解することができます。
 ただし、このテキストは考古学の学問としての体系を解説した「概論」ですので、具体的な事例紹介にも限界があります。参考文献に挙げた図書は、テキストの著者が、これまでの自身の研究をわかりやすくまとめたものです。考古学という学問を、豊富な具体的な事例を通して理解することができるだけでなく、テキストの理解にも役立つと考えますので、併せて読むことをお勧めします。

テキスト

鈴木公雄『考古学入門』東京大学出版会、1988年

テキストの読み方

まずはテキストを何度も読むことが大切です。その際、項目ごと、節ごとに、どんな内容が書かれているのかを自分の文章でまとめ、そしてそれらの間にどのような関係性があるのかを考えてみるのも有効でしょう。最初は理解できないことや誤読があるかもしれませんが、参考文献に挙げた図書を含め様々な本を読んだり、博物館などで実際の考古資料などを見たりするうちに、次第に理解が深まると思います。

履修上の注意

特別な注意点はありませんが、強いて言えば日ごろから考古学に対する関心を強くもつことが重要です。そうすることにより考古学をめぐる報道や、考古学関連のさまざまな図書に自然と目が向くようになり、積極的に博物館・資料館、遺跡や発掘現場の見学に出かけられるようになれば、よりいいでしょう。

関連科目

「オリエント考古学」「西洋史特殊Ⅰ」

成績評価方法

科目試験による。

参考文献

鈴木公雄『考古学とはどんな学問か』東京大学出版会、2005年
 ほかにも、考古学をめぐる様々な文献に目を通すことをお勧めします。ただし、自分が初心者だと思う方は、考古学の方法論を扱ったものよりも、具体的な研究成果を盛り込んだ概説的な本や、写真や図版を多用したものを読み、まずは考古学に対する関心を高めるのがいいでしょう。

レポート作成上の注意

テキストのある科目ですので、まずはテキストや参考書を何度も読み込んで、内容を理解することが大切です。テキストの理解が足りないと判断されるレポートは、まず合格点になりません。
 また、課題で何を求めているのかをじっくり考え、盛り込むべき内容をしっかり整理してからレポートを書き始めるようにして欲しいと思います。
 なお、レポートは、テキストや他の文献を読んだり、実物の資料を見て理解したことを、自分の文章で表現するものです。テキストの内容の要約ではありませんので注意してください。