慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
現代英文学
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 第3類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2022 授業コード T0EA002802

講義要綱

〔授業の到達目標及びテーマ〕  


本科目は、20世紀以降のイギリス小説の動向とその文学的課題の探究を主眼としたものである。具体的には、①文学作品における英語表現、②文学作品から見る多様な文化、③英語で書かれた代表的な文学の理解、を学習項目とし、そうした学習を通じて、

①文学作品において使用されるさまざまな英語表現について理解できること
②文学作品で描かれている、イギリスの文化について理解できること
③英語によって書かれた代表的な文学作品について理解できること

を目標とする。そのためには、20世紀初頭から現代のイギリスの文化的・社会的諸相を理解し、第一次世界大戦、モダニズム、第二次世界大戦、1950年代、1960年代、20世紀後半、21世紀などの区切りを設けつつ、それぞれの時代の小説の流れを概観し、代表的な作家と作品を読解し分析すること、重要な小説論を精読して、20世紀から現代までの小説史と文学的課題を明らかにすること、などの学習を進めることが肝要である。


〔授業の概要〕
20世紀初頭から現代までのイギリスの文化的・社会的情勢を理解し、代表的な小説の読解とその特質の分析をおこなう。


〔授業計画〕  


指定教科書の構成は次の通りである。  


まえがき  


Ⅰ 小説家たち Novelists  


 1 終わりと始まりと 1901-1919年


 2 戦後から戦後へ 1920-1954年


 3 再びの始まり 1955-1979年


 4 1980年以降のイギリス小説 1980年-


Ⅱ 年表 Chronology


Ⅲ 作品一覧 Works  


Ⅳ 小説論 Novelists on Novels  


 Modern Fiction──Virginia Woolf   


 A Room of One’s Own──Virginia Woolf   


 Professions for Women──Virginia Woolf   


 The Novel──D. H. Lawrence   


 Why the Novel Matters──D. H. Lawrence   


 The Novel and the Feelings──D. H. Lawrence   


 Thus to Revisit──Ford Madox Ford 


用語解説 Glossary  


主要参考文献

テキストの読み方

「まえがき」において、まず、現代英文学への基本的な視座を確認するとともに、指定教科書の構成を熟知していただきたい。その上で、「小説家たち」を熟読し、各作家が取り組んだ多様なテーマとその表現手法を十分に理解することが求められる。「年表」には、同時代の文化的・社会的事象が記されており、そうした文化的・社会的コンテクストについても十分に理解を深めておくこと。あわせて、学習内容を整理するために、「作品一覧」や「用語解説」を活用してほしい。「小説論」は、代表的な作家による小説論、文学論が掲載されている。じっくりと英文を精読し、論述内容をよく理解した上で、それらを現代英文学の基本的な流れと照合し、それぞれの文学史的意義を検討してほしい。発展的な学習をしていく上では、「主要参考文献」の活用が望まれる。

履修上の注意

テキストの情報を参考に、少しでも多くの作品に実際にふれることが重要である。イギリス小説の多様性を理解してほしい。

成績評価方法

レポートの合格を前提として科目試験によって評価する。

参考文献

Alexander, Michael. A History of English Literature. Basingstoke: Palsgrave Macmillan, 2007.
Day, Gary, ed. Literature and Culture in Modern Britain, Volume Two: 1930-1955. London: Longman, 2000.
石塚久郎編『イギリス文学入門』三修社、2014年。
河内恵子編著『現代イギリス小説の「今」─記憶と歴史』彩流社、2018年

レポート作成上の注意

引用文の情報を明記すること。