慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
ラテン文学
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 第3類 単位 1
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2022 授業コード T0EA006701

講義要綱

本科目では、ラテン文学(古代ローマ文学。狭い意味での文学だけでなく、歴史や哲学をも含みます)の主要な作家および作品について、基礎的な知識を学ぶと共に、翻訳を通じて作品に実際に触れることを目的とします。指定教科書の構成は次の通りです。
 はじめに
 第一章 ラテン文学発生期
 第二章 黄金時代前期・キケロー時代
 第三章 黄金時代後期・アウグストゥス時代
 第四章 銀時代・初期帝政時代

テキストの読み方

人物名や作品名が非常に多く、次々と出てくるので、繰り返し何度もテキストを読むことを勧めます。また、テキスト内に書かれた邦訳の情報が古いので、後述する参考文献の項を合わせて参照してください。現在ではテキストが作成された当時に比べ、はるかに多くの邦訳が出版されています。

履修上の注意

テキストは単に文学史的な知識を丸暗記するためのものではありません。読書へのきっかけをなすものです。テキストを通して興味を惹かれる作品を幾つか翻訳で読んでみましょう。そうすることでテキストが生きてきます。古典作品は2千年間人々に生きる指針を与えて来たので、生き残っています。どの作品を読んでも、過去の人々の声が心に届くはずです。加えて、文学作品に限らず、古代ローマの歴史や文化、美術などに関する本や映像資料などを広く参照することで、一層、ローマを知ることが楽しくなり、理解が深まります。

関連科目

イタリア文学(古代ローマの文学の後に来るものだからです)。

成績評価方法

科目試験による。

参考文献

指定教科書が執筆された時代とは異なり、現在ではラテン文学の邦訳や日本語文献も大幅に増えており、図書館を利用するなどして活用することを勧めます。〈ラテン文学史〉
松本仁助・岡道男・中務哲郎編『ラテン文学を学ぶ人のために』(世界思想社、1992)
高橋宏幸編著『はじめて学ぶラテン文学史』(ミネルヴァ書房、2008)
逸見喜一郎著『ギリシャ・ラテン文学』(研究社、2018)
〈邦訳〉
 多くの作品が京都大学学術出版会の西洋古典叢書に収められています。岩波書店もキケローやカエサル、セネカの作品集を出版しています。文庫本では特に岩波文庫(赤・青)と講談社学術文庫に多くの邦訳があります。また、日本語で書かれた古代ローマに関する書籍も岩波新書や中公新書、講談社学術文庫を中心に数え切れないほど出版されているので、ネットや図書館で検索して、適宜参照し知識を深めてください。

レポート作成上の注意

ラテン文学作品を翻訳で読み、本文を具体的に引用しながら、自分自身の考えをまとめるようにしてください。他の書籍や資料も参照・引用した場合には、必ず註や参考文献表をつけて典拠を示してください。また、実際に作品を読んで具体的引用もするという指示があるため、レポートは4,000字程度と~単位数からすると~長めに指定してあります。間違えないようにしてください。