慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
国民所得論
科目設置 経済学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2022 授業コード T0EB002202

講義要綱

コロナによって世の中が大きく変化しつつありますが、「時代が新しくなる局面では、経済が成長しながら格差が広がる」という傾向が1971年のノーベル経済学賞受賞者・クズネッツ氏(Simon Smith Kuznets, 1901-1985)によって見出されており、実際、人工知能等の発展による産業構造の変化に伴って「現在の小学生の65%は、現在存在していない職につく」という主張の現実性が高まってきています。

 本講義では、このようにピンチとチャンスに満ちた経済を理解するための基礎理論、すなわち「国民所得論」について、その考え方を分かりやすく、しかも詳しく解説します。国民経済計算、短期の国民所得の決定の理論、中期・長期の国民所得の変動に関する理論、財政・金融政策の有効性・無効性などが主な項目です。

テキストの読み方

経済学は積み重ねの上に成り立っていますので、「経済政策学」と同様に、用語を正確に把握して読み進めて下さい。特に数式については、その意味を十分に理解することが必要です。わからなくなったら前に戻って用語や数式を再確認するよう心がけて下さい。

履修上の注意

J. M. ケインズが述べているように、経済学を学ぶ際には、出来合いの特効薬についての知識を詰め込むより、その発想や考え方を学ぶ方がはるかに大切です。 マクロ経済理論的な発想や考え方を学び、それに基づいて現実の経済を観察し、新たな認識の構造を築いていただけたらと希望しています。

関連科目

「経済原論」もしくは2018年度新設の「経済原論(ミクロ経済学)」および「経済原論(マクロ経済学)」を履修済みであることが望まれます。

成績評価方法

科目試験による。

参考文献

藤田康範『ビギナーズマクロ経済学』(ミネルヴァ書房)2009年
藤田康範『経済・金融のための数学』(シグマベイスキャピタル)2009年

レポート作成上の注意

課題が求めていることを十分に読み取ってから着手し、全体の構成をよく考えて、結論に至る論理の道筋を整理してまとめて下さい。