慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
国語科教育法
科目設置 教職科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 教職 単位 3
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2022 授業コード T0F0000102

講義要綱

国語の教師となるにあたって、どのような知識が必要かということだけでなく、教師になってからどのような姿勢を保ち続けられるかということを意識したい。さらに、知識・理解だけではなく、生身の人間同士による対話から学びが作られていくことを忘れてはならない。テキストのみではなく、広く現代の生徒像と教育の実態をイメージしてもらいたいため、参考文献を以下に示した。

テキストの読み方

物語の読み取りだけが国語の力ではない、評論や古典、さらには表現など幅広く生徒に力をつけさせるよう指導をしていくことを念頭におきたい。テキストを出発点として、さらに幅広く教材や研究書に向かうこと。また、特に昨今のICT教育については最新の動向に注意する必要がある。インターネット上のサービスやアプリなどは機能の追加など動きが激しいので書籍だけでは追いきれない。実際に触れてみて活用の道をイメージしていくことが肝要である。

履修上の注意

一つの教材に対して正しい一つの授業があるとは思えない。そこにはまず生徒の人数規模や性格にはじまり、学校の特色、教師の性質など、様々な要素を含んだうえで一つの授業が実践される。教材研究の深さはもちろん大前提として必要だが、授業のスタイルはその時その時に最適なものを常に考えてほしい。したがって、世の中に存在する先行研究、実践例、指導案などを丸写しで良しとする姿勢では良き教師たりえない。本講義の試験やレポートにおいても同様である。

成績評価方法

科目試験による。

参考文献

 平成29・30年改訂 学習指導要領、解説等 ※文部科学省のホームページよりダウンロードできる

「文部科学省検定済教科書中学校国語または高等学校国語」各出版社

・堀裕嗣『教室ファシリテーション10のアイテム100のステップ』(2012.3 学事出版)

・堀裕嗣『国語科授業づくり10の原理100の言語技術』(2016.3 明治図書出版)

・町田守弘『実践国語科教育法──「楽しく、力のつく」授業の創造』(2019.4 学文社)

・中原國明・大熊徹編『国語科授業用語の手引き 第二版』(2009.1 教育出版)

・野中潤『学びの質を高める! ICTで変える国語授業 ―基礎スキル&活用ガイドブック―』(2019.2 明治図書出版)

野中潤『学びの質を高める! ICTで変える国語授業2 ―応用スキル&実践事例集―』( 2021.1 明治図書出版)

石丸憲一、正木友則Chromebookでつくる小学校国語の授業』(2021.10 明治図書出版)

前多昌顕『先生のためのICTワークハック 業務の生産性向上から授業・学級づくりまで』(2021.11 明治図書出版)

レポート作成上の注意

履修上の注意でも述べた通り、先行研究を鵜呑みにするのではなく、教材を確実に自分のものとした上で成果をまとめてほしい。