慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
ロシア文学
科目設置 文学部専門教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 第3類 単位 2
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2022 授業コード T0EA006604

講義要綱

ロシア文学は19世紀中葉に世界の最高峰にまで登りつめた文学で、その伝統は今でも生きています。トルストイやドストエフスキーやチェーホフなど、ぜひ人類の遺産とも言うべきロシア文学に、一度触れてみませんか。
 当テキストは、ロシア文学を実際に手にとって味読してもらうための手引書であり、中世から19世紀、20世紀を経て現代に至るまでのロシア文学の彩り豊かな世界へと誘うものです。ゴーゴリやドストエフスキー、ブルガーコフ、パステルナーク、ソルジェニーツィン、ナボコフ、そしてペレーヴィンらの魂を揺さぶるような、あるいは読者の世界観までも変えてしまうようなエネルギーを感じてほしいと思います。また、ロシア文学を今日の視点から読み直し、私たちにも通ずる普遍的でアクチュアルな問題を考察するために、ジェンダーやポスト・コロニアリズムなど小説を読み解く視座を呈示するとともに、小説の普遍的テーマがオペラやバレエ、演劇、映画など他の芸術ジャンルによって表現されたケースについても紹介しています。ロシア文学の作品世界を多様な芸術言語で横断的に楽しむ案内として役立ててください。
 なお、レポートの作成の際には、このテキストだけでなく参考書や他の参考文献も併用してください。科目試験では、テキストの中から重要と思われるテーマを選んで出題します。

テキストの読み方

1回目は個々の具体的な作品や作家の具体的な人間像を追って、イメージしながら読む。続いて2回目は、ロシアの時代の流れを通して、文学の主義や思想などを読み込む。そして3回目は、その他の細かい部分にも注意して読む。都合3回読むことで、テキストの内容が頭に入ってくると思います。

成績評価方法

科目試験による。

参考文献

水野忠夫編著『ロシア文学 名作と主人公』自由国民社、2009年
藤沼貴・水野忠夫・井桁貞義編著『はじめて学ぶロシア文学史』ミネルヴァ書房、2003年
藤沼貴・小野理子・安岡治子『新版 ロシア文学案内』岩波文庫別冊、2000年
川端香男里編『ロシア文学史』東京大学出版会、1986年

レポート作成上の注意

ロシア文学全体の流れをつかんだ上で、対象作品を精読してください。論述に際しては、課題で何が求められているのかを把握した上で、レポート全体の構成を考えてから執筆に取り組むようにしてください。引用・援用部分には必ず註を付けて典拠を明示してください。対象作品は何を用いたか、明記してください。