慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
新・生物学
科目設置 総合教育科目 授業形態 テキスト科目
科目種別・類 3分野科目/自然科学分野 単位 4
キャンパス - 共通開講学部 -
設置年度 2022 授業コード T0AC000304

講義要綱

 私たちヒトは、両親からもらったゲノムDNAの遺伝情報に基づいて自分の体を作り、他の生物を食べることで生きています。平均寿命は延び続けていますが、病気や死から完全に逃れることはできません。私たち自身が生物の1種であることは、科学技術が発達しても変わらない事実ですが、個人のゲノムDNA情報を容易に読むことができ、その遺伝子を改変する技術も進歩した現代では、バイオサイエンスの技術や生命倫理に関する知識は、ますます重要性を増しています。

 生物学では、2021年度より、市販のテキストと慶應義塾大学生物学教室メンバーによるオリジナルテキストによる、共テキスト制を採用しました。

 まず、市販テキストでは、生物学全般に共通する基礎的な内容の多くがカバーされます。具体的には、以下のような内容が含まれます。

・代表的な生体物質の種類、働き、代謝

・細胞の構造

・遺伝子に関する基礎(セントラルドグマ)

・細胞分裂と多細胞生物の発生過程

・遺伝学の基礎

・多細胞生物の体内環境の維持

・生物の多様性の進化と、ヒトとの関わり 

 もう一方の慶應オリジナルのテキストでは、生物学教室各教員の研究の専門を活かした、多様なトピックスが提供されています。そこでは、研究対象となっている生物の多様性のみならず、それに対する研究者の興味や、謎にアプローチする研究手法もまた驚くほど多様であることを垣間見られるはずです。市販テキストではカバーされていない、発展的な内容も含まれます。

テキスト

南雲保(編)『やさしい基礎生物学〔第2版〕』羊土社、2014年
※「新・生物学」は上記市販書と配本テキスト『新・生物学』の2冊が指定テキストになります。

テキストの読み方

 市販テキストとオリジナルテキストは、どちらを先に読みはじめても構いません。市販テキストを先に十分に学習してからオリジナルテキストを読めば、生物学の基礎知識の理解を確認する力試しとなるでしょう。生物学の基礎知識をある程度持っていれば、オリジナルテキストから先に読み始め、理解が不十分な概念や用語に出会ったら、それを市販テキストでの学習の入り口としても良いでしょう。

 その他詳細は、本稿に続く「生物学の学び方」を参照してください。

履修上の注意

この科目では、科目試験と3回分のレポートに合格することに加えて、実験スクーリング(AおよびBの二期分)の履修が単位の取得に必要となります。また、科目試験の受験資格の取得には、一定の要件を満たす必要があります。「塾生ガイド」で確認してください。

成績評価方法

①レポートの評価、②実験スクーリングの評価、③科目試験の評価による総合評価が最終評価。

参考文献

各レポート課題に取り組むのに必要な文献がある場合は、課題(もしくは、以下の「レポート作成上の注意」)の中で指定されます。

レポート作成上の注意

第1・3回:適宜、教科書や文献、インターネットを使って調べて構いません。ただし、インターネット情報の引用は必要最小限として下さい。参考にした文献等には通し番号を付け、本文中でその文献を参考にした箇所に「(参考文献XX)」のような形で、その文献の番号を括弧書きで記して下さい。また、レポートの最後に参考文献のリストを通し番号と共に表記して下さい。インターネットの情報を参考文献として利用した場合は、サイト名、URL、アクセスした年月日を書くようにして下さい。

第2回:まず、テキストの内容、特に第9章から第11章の内容にしっかり目を通して生物の進化とそれを引き起こす原動力について十分理解を深めてください。さらに、テキストの第12章やさまざまな資料を独自に探して、テーマとなる事例を探索してください。対策に関しては資料に示されているものをただ書き写すだけでは、不十分な場合が多いです。関連するテキストの記載と照らし合わせてその有効性や注意すべき点を十分に理解した上で、根拠をていねいに提示しながら記述する必要があります。複数の資料をもとにレポートをまとめる場合には、内容の整合性や用語の統一などを心がけるとともに、無駄な重複が生じないように気をつけてください。参考文献には番号をつけ、文中でその文献を参照した箇所に「(文献XX)」のような形でその文献番号を括弧書きで記してください。インターネット情報を参考にする場合は必ず出典を明示しているコンテンツを利用すること。可能であれば引用された文献を読んだ上で、そちらを引用してください。