科目名 | |||
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哲学 | |||
担当教員名 | |||
横路 佳幸 | |||
科目設置 | 総合教育科目 | 授業形態 | 夏期スクーリング |
科目種別・類 | 3分野科目/人文科学分野 | 単位 | 2 |
キャンパス | 三田 | 共通開講学部 | - |
設置年度 | 2022 | 授業コード | 12201 |
開講期間 | III期 8/22~8/27 | 曜日・時間等 | 3~4限 13:45~17:30 |
哲学は、実に2500年以上の歴史を持っています。その歴史が示唆に富む洞察で溢れていることは言うまでもありませんが、現在の哲学的議論にいかなる影響をもたらし、どのような意義を持っているかはあまりはっきりとしません。
そこで本講義では、哲学史(の一部)を、現代の哲学、特に英米圏の分析哲学の観点から理解し、その意義を見極めることを目指します。中でも、著名な三人の哲学者である古代のアリストテレス、近世のルネ・デカルト、同じく近世のジョン・ロックの哲学思想を取り扱います。難解な原著を正確に解釈するのではなく、現代の視点から大胆に再解釈し、ときに換骨奪胎することで、彼らの思想が現代の哲学の中にどのように息づいているかを考えます。
本講義は、初回のイントロダクションと最終回の試験を除くと三つのパートに分けられます。第2回から第4回では、アリストテレスが銅像や人間の「部分」をどのように捉えていたかを考え、近年の形而上学との接点と応用可能性を探ります。続く第5回から8回では、デカルトの有名な「われ思うゆえに我あり」や悪名高い永遠真理創造説などを再考し、分析哲学的な視点から見るとどのように再解釈できるかを検討します。最後の第9回から第11回では、私たち人の同一性を論じたロックに焦点を当て、彼の正しい点と間違っている点を見極めながら、「私たちとは何か」という哲学の根本問題を考えます。
第1回講義内容
イントロダクション 哲学史と分析哲学
第2回講義内容
アリストテレス① 銅像は銅以外の部分を持つか
第3回講義内容
アリストテレス② 物質的でない「部分」
第4回講義内容
アリストテレス③ レシピとしての「部分」
第5回講義内容
デカルト① 2+3は本当に5なのか
第6回講義内容
デカルト② 「われ思う…」を好意的に解釈する
第7回講義内容
デカルト③ 神と物質の存在証明の問題点
第8回講義内容
デカルト④ 精神と肉体はどのように結び付くか
第9回講義内容
ロック① 知的な存在者としての「人」
第10回講義内容
ロック② 人とヒト、脳、そして魂
第11回講義内容
ロック③ 私たちとは結局何なのか
第12回講義内容
総括及び試験
その他の学習内容
・課題・レポート
・質疑応答を講義時間の随時受け付けます。
最終回の試験によります。ただし、出席点も適宜加味します。
プリントを適宜配布する
形而上学(上下巻)/アリストテレス 岩波書店 1959–61
省察/ルネ・デカルト 筑摩書房 2006
人間知性論(全4巻)/ジョン・ロック 岩波書店 1972–77
よくわかる哲学・思想(やわらかアカデミズム〈わかる〉シリーズ)/納富信留・檜垣立哉・柏端達也 ミネルヴァ書房 2019
同一性と個体――種別概念に基づく統一理論に向けて/横路佳幸 慶應義塾大学出版会 2021
予備知識は不要です。