慶應義塾大学通信教育部シラバス

科目名
文学C
担当教員名
粂川 麻里生
科目設置 総合教育科目 授業形態 夏期スクーリング
科目種別・類 3分野科目/人文科学分野 単位 2
キャンパス 三田 共通開講学部 -
設置年度 2022 授業コード 12215
開講期間 III期 8/22~8/27 曜日・時間等 3~4限 13:45~17:30

授業科目の内容

ヨーロッパの文学は、ひとつの有機的な全体をなしている。初めて文字として記された文学作品であるホメーロスの『イリアス』と『オデュッセイア』は、単に文芸の古典となったのみならず、その後発展する文明全体の母胎となった。本講義では、ホメーロスから始まり、直接そこから発展したギリシャ悲劇、ウェルギリウスをはじめとするラテン語の古典群、さらにダンテ、シェイクスピア、ゲーテと各言語圏に展開された「文学」の原型と変形(メタモルフォーゼ)を追いながら、ヨーロッパ文学を全体として理解することを目指す。

第1回講義内容
「文学」とは何か。無文字社会で生まれた叙事詩の役割。ホメーロスという存在。

第2回講義内容
最古の叙事詩『イーリアス』の構造と内容。叙事詩によって生み出される「人間」。アキレウスの三段階の怒りと悲しみ。

第3回講義内容
もうひとつの叙事詩『オデュッセイア』の構造と内容。オデュッセウスの内政的な人間像。ファンタジー文芸の起源。

第4回講義内容
ギリシャ悲劇の起こりと発展。基本的な劇場構造。

第5回講義内容
三大悲劇詩人(アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデス)の確立したギリシャ的理念。

第6回講義内容
ローマによるギリシャ文明継承。ウェルギリウスの担った使命。

第7回講義内容
ラテン語古典の性格。オウィディウス。「人文主義」の成立。

第8回講義内容
「ルネサンス」の始まりとしてのダンテ『神曲』。

第9回講義内容
バロック演劇とは何か。シェイクスピアとカルデロン。

第10回講義内容
「ヨーロッパ文学」を近代につなげたゲーテ

第11回講義内容
ゲーテ『ファウスト』に描き出された「ヨーロッパ文学」

第12回講義内容
総括

その他の学習内容
  ・課題・レポート
  ・各回の「リアクション」も提出していただきます。

成績評価方法

講義の理解を、各回のリアクションと最終レポートで評価します。

テキスト(教科書)※教科書は変更となる可能性がございます。

プリントを適宜配布する

参考文献

教室で適宜指示する。

受講上の要望、または受講上の前提条件

特別な予備知識は必要ないと考えています。